バイオ・リフレクトメーター
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多項目材料表面性状測定装置
オプティカル バイオ・リフレクトメーター
BLUE SKY RM-8000
基材表面に吸着・修飾されたナノメーターレベルの膜厚測定・濡れ性測定・吸着量の解析には従来は3種類の測定装置を使い分ける必要が有りましたが、 BLUE SKY RM-8000は量産型測定装置として初めてこれらの項目を1台で測定可能としました。
リフレクトメーターとは
- 【光リフレクトメトリー (偏光解析)】
レーザーを試料板に反射させ、反射光を縦偏光と横偏光に分解します。高感度フォトダイオードで検出し、この比を解析する事で光学定数、膜厚、吸着量を求めることが出来ます。 - 【液膜落下法】
二つのレーザー間を落下する液膜の移動時間をそれぞれのレーザーのシグナルの変化から測定しぬれ(濡れ)性、離水速度を評価することが出来ます。
(独)産業技術総合研究所の特許・公開特許技術と偏光解析アルゴリズム
BLUE SKY RM-8000は、平成15年、(独)産業技術総合研究所光技術研究部門とマイクロテック・ニチオンが共同で中小企業支援事業からファンドを得て開発されました。
その方式は同研究所の光技術研究部門の「特許2782502号 生体分子吸着層の動的界面張力測定法とこれに用いる装置」及び「特開2003-42926生体分子吸着層の測定方法及び装置」を活用した非常に革新性の高い方式です。
特許を用いた新方式と、独自のリフレクトメトリー(偏光解析)技術によって高性能と多項目測定と、扱いやすい操作性を高い次元で実現しています。
膜厚測定、濡れ性測定、更に吸着量解析も可能
エリプソメーターにも近いnm単位での測定精度で多項目の測定が可能です。
- ゴニオ測定 --- 光入射角度と偏光強度比(Rp/Rs)の関係から光学定数・膜厚を測定
測定値のプロットとシミュレーションカーブのフィッティングから光学定数・膜厚を推定します。
- 基板の光学定数(屈折率、吸光定数)
文献値に頼らず実際のサンプルで計測
光学定数は同一材質でも基板表面の状態で変動するため、あらかじめ測定しておくことでより精度の高い膜厚推定を行えます。 - 膜厚、屈折率の測定
10nm -10μm の基板上の薄膜の膜厚及び屈折率を測定
透過性の均質な膜なら非常に高精度での測定が可能です。(微小な凹凸や孔があっても鏡面であれば測定出来ます。) - 溶液セルでの測定 --- 光入射角度一定でRp/Rsの変化量を解析
生体分子を含む水溶液に試料板を浸漬し、浸漬直後からの生体分子の吸着量経時変化を垂直成分Rsと水平成分Rpの比(Rp/Rs)の経時変化として測定します。また、ΔRp/Rsの値より吸着分子層の膜厚を推定し吸着量に換算することが出来ます。
吸着量Γ(mg/m2)=膜厚d×屈折率Δn/屈折率の濃度依存性dn/dc溶液サンプルの条件
溶液サンプルには濃度〜1mg/ml 程度までで透過性がありセルの材質に影響が無いものが使用できます。- 着色液 レーザー(632.8nm)が吸収されなければ可能です。
- 懸濁液 粒子がレーザーを散乱しなければ可能です。
- 液膜落下法での測定 --- 2レーザービーム間の液膜(水膜)の落下を解析
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基板の濡れ性
試料板を液体に浸漬後、気相中に露呈させ、試料板表面の2 点間を通過する液体膜の移動時間を測定することによりぬれ性を評価します。波形の変化が捉えられれば測定できるため、幅広い条件で測定可能です。
- 基板材料 金属、ガラス、プラスチックなど表面はフラットな基板であれば可能。
- 液体 水など。特に制限はない。有機溶媒には専用の液セルが必要。
また接触角と落下時間を測定し実験的に対応式を作成することで接触角への換算することも可能です。
- 基板上の水膜の厚みと離水過程
液中から基板を気相に引き上げた際に膜に付着し落下する水膜の厚み変化を観測し、初期厚さの概算と厚さの時間変化の測定が出来ます。
濡れ性測定の際の水平成分、垂直成分の振動現象の振幅数をカウントし膜厚VS振幅数の関数から基板を水膜の厚みを推定します。
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- 吸着量と濡れ性の連続測定 --- 吸着量測定の任意の点で濡れ性を評価
吸着量測定中に任意の時点で濡れ性測定に移行する事が可能なため、乾燥による吸着膜への影響を最小限に抑えたその場的測定を行う事が出来ます。形状変化し易い吸着膜の測定に最適です。
高精度
膜厚測定において、本装置を既に市場で一般的な「エリプソメーター」と「波長分散型膜厚測定装置」と比較した場合の測定データです。
基板をSUS304 薄膜を高分子(ネールペイント)にて作成した80〜300 nm付近の薄膜4種類で測定した場合、本装置はエリプソメーターでの測定データと平均で4.3nmしか誤差を表しませんでした。同様の測定を波長分散型膜厚測定装置で行った場合、30.5nmの誤差が発生することからも、RM-8000の精度の高さを知ることができます。
ハードウェア
高剛性のフレームに搭載された高精度ゴニオメーターの旋回軸を制御してレーザー軸と計測部をコントロールしています。
本体は全てハードカバーで保護されていますので外部の環境を気にする事無く、安定した測定を行う事が出来るほか、将来的には恒温恒湿、嫌気性、与圧陰圧などの作成も可能です。
期待されるアプリケーション
材料表面特性のキャラクタリゼーションに欠かせない2種類の測定装置(リフレクトメータとゼータ電位測定装置)をマイクロテック・ニチオンは提供します。BLUE SKY RM-8000 が提供する多項目測定がバイオ、ナノなどの拡大著しい研究分野において様々なアプリケーションを提供します。
コンパクト! 実験台の上に簡単に設置
大きさ (W)830mm×(D)550mm×(H)540mm
実験台の上に楽に設置出来るコンパクトな本体は上面のほとんどの部分をカバーしていますので周囲の環境に影響を受けにくくなっています。クリーンルームの分析室は特に必要有りません、高い耐振動性、測定安定性を有しています。居室の机の片隅にも設置が可能です。
国内メーカー 自社開発
カスタマイズ・オーダーも自由に!
マイクロテック・ニチオンの各種理化学機器・分析機器・医療用具などの商品群は、研究者のご要望をお聞きし共同で機器を開発していく「カスタムオーダー」がその原点となっています。また、自社開発・自社製造を行っていますので、ハードウエア、ソフトウエア共にご要望にお答えする変更が容易にできます。
本Webページに記載されている弊社製各種装置の用途例(方法)には、特許が存在する場合がございます。実際に使用される場合にはその用途についての特許情報を十分に確認された上で使用されることをお勧めします。