細胞破砕器
培養細胞用 シリンジ式細胞破砕器
『培養細胞のオルガネラを薬剤を使わずに抽出する』
細胞内小器官の効率良い前処理装置
シリンジ式 細胞破砕器 |
「高速で連続的な圧縮-解放」 可溶化試薬は不要! |
---|
シリンジ式細胞破砕器は 27G 注射針と 1ml シリンジを使い、細胞懸濁液を自動で安全に、高速で破砕処理することが可能な装置です。
処理後に遠心分離機にかけるだけで効率よくオルガネラを回収可能です。
オルガネラの抽出
従来の培養細胞内小器官(ミトコンドリア)の抽出法は・・・
■細胞用可溶化試薬を使う
界面活性剤や酵素を使った市販の細胞用可溶化試薬を用いると、小器官へダメージを少なからず与えてしまいますので、小器官を自然な状態で回収する必要が有る場合には適していません。
また、1回の処理コストもやや高くなる傾向にあります。
■組織破砕用ホモジナイザーやビーズ式破砕装置を使う
回転刃式ホモジナイザーやビーズ式破砕器など大きな組織用の破砕器は、細胞同士が結合し組織化しているものが対象の場合にはせん断力を与えやすく有利ですが、培地上に漂うように単離した状態の培養細胞に対しては組織の場合のようなせん断力が得られないため適していません。
■超音波式破砕機を使う
超音波式は培養細胞の壁を破ることについては有効な方式ですが、誤った処理を行うとオルガネラを小さく断片化してしまう危険性もあり、オルガネラを遠心により分画する方法に向いていません。
これらを解決する 27G シリンジ法
手技による 27G シリンジ法は・・・
必要なのは27G注射針、1mlディスポシリンジ、後処理の遠心分離機のみ
注射針と注射器を使い「圧縮-解放」を繰り返すことで培養細胞の細胞膜を破いてオルガネラを回収する方法です。
手技の場合、1.5mlの容器に準備した培養細胞懸濁液(500μl〜1,000μl)へ27G注射針を取り付けたディスポシリンジを差し込み、懸濁液を勢い良く真空が発生する程度のスピードで吸引し、直後に勢いよく吐出します。
この作業を20〜30回程度繰り返すことにより、針の細い先端穴付近で細胞懸濁液の「圧縮-解放」を繰り返し行い、この時に発生する解放エネルギーや注射針の内壁面との摩擦、容器内への衝突などの力によって細胞膜を破り細胞内小器官を回収します。
27Gシリンジ法は 立教大学理学部生命理学科 分子細胞生物学教授 岡 敏彦先生にご監修頂きました。
「良い方法だけれども・・・」
習熟したテクニックが必要な手作業による27Gシリンジ法
- シリンジによる吸引・吐出は 1ml/1sec 程度の素早いピストン操作が必要。(操作が遅いと細胞膜が破れない。)
- シリンジによる破砕処理時には必ず氷冷を行う。
- 破砕処理時に針の先端は 1.5mlチューブの底面の中心付近、底から約1〜2mm 離した位置に固定する。(位置がずれてしまうと処理中に溶液が噴出してくることがある。)
- 注射針の装着が緩いと、処理中に注射針が外れ噴出することになる。(ルアーロック式シリンジを使う方法もあるが、ディスポシリンジではなくなるのでコストアップに繋がる。)
27Gシリンジ式破砕の自動化! シリンジ式細胞破砕器
高速な圧縮-解放 1ml/sec (吐出時) (※1) |
簡単なシリンジ着脱 |
---|
※1 注射針 27G テルモシリンジ 1ml x 4本時の最大速度
仕様
項目 | 内容 |
---|---|
モーター | 単相 100V (50Hz) |
上下ストローク | 100mm |
可変速度範囲 | 3.1〜49 mm/s (50Hz) 最大 1mlシリンジで 1,000μl → 0μlを約1秒 |
最大可搬質量 | 74kg (42mm/s 時) |
使用可能な注射針 | 注射針: 27G×3/4 (0.40 x 19mm) |
使用可能なシリンジ | シリンジ: テルモシリンジ 中口 1ml ツベルクリン用 |
最大シリンジ搭載本数 | 4本 (1ml) |
吸引量調整(吸引限位置調整)センサー位置を手動で調整 | |
繰り返し回数(0〜99回可変) | |
サンプル台(ラボジャッキ 150mm x 150mm) | |
自動処理スタート/ストップボタン、ニードル部固定(注射針脱落防止機能)電源 ON/OFFボタン、自動手動切り替えボタン、シリンジ手動上下ボタン | |
電源保護回路(ガラス管ヒューズ) |
改良のため、製品の仕様は予告なく変更になる場合がございます。予めご了承願います。