設立当初は、日音医理科器械製作所の財政的支援で、日音医理科で販売する製品の製造や開発をしながら、生計を繋いできた。設立後間もなく東邦大学理学部生理化学教室今井利夫先生(現在教授)から連絡があり、丸善石油化学が化学発光法による臨床診断薬の事業を計画し、試薬を販売するためには臨床検査装置が必要で、新たな物を開発したいとのことで、今井先生は、マイクロテックニチオンを紹介しようと連絡をくれた訳である。今井先生は、AMINCO
CHEM-GLOW Photometerのユーザーであり、先生はこの生物化学発光法で臨床検査法を切り開こうとされていた。特にドライケミストリーへの応用のため、特製の測光部を作り、一緒に特許出願をしたこともあった。又、αフェトプロテインの測定を小さな電気泳動ゲルをスキャニングさせる発光ゲルスキャナーの開発にも共同で行った。そのような関係であったので、丸善石油化学からの話に、今井先生は直ちに弊社を紹介しようと考えた。その結果、丸善石油化学から試作機3台の注文、から始まり量産試作機、製品と合計60台以上の化学発光法による臨床検査用300検体自動測定装置の開発及び製造に携わることで、この期間の経営を安定化することが出来た。又技術面での機材や、開発途上で沢山のノウハウを蓄積できたことは、その後の会社の大きな財産になった。
バブル崩壊後、残念なことに、丸善石油化学もどこの企業がやったのと同じように、多角化した所の事業の見直しが始まった。不採算の事業は直ちにストップするという決断である。それぞれ大きな投資をしたのであろうが、現時点で不採算の事業は切り捨てることになった。臨床診断薬(全体の一部だけであるが、それでも市場は30億円以上と予測された)開発に携わったバイオ事業部もその対象に漏れなかった。 |