会社紹介(製品今昔物語)
リング型LED照明灯「ヘブンズグロリア」
2009年3月
ある臨床医学の先生からLEDを使った照明灯の要望が、グループ会社「ニチオン」を通して届いた。我々は様々な光源を利用した測定装置や画像を解析する装置を作っていたので、ニチオンと共にLEDを使った医療用照明灯の開発を平成12年から始めた。
調査段階で、直接医師が手術箇所を観察するには様々な問題を解決する必要があることが判り、当面医療以外の利用に重点を置く事にした。リング状に200個から320個ほどのLED光源を配置させ、LEDはすべて下方中心部に光を放つようにした。1個のLEDの光は弱いが、沢山のLEDが1点に向くと大変強い光となる。大きさ機能に応じ3種類の照明灯を作った。
一番大きなリング型LED照明灯は外径が320mmφあり、集光点をつまみ一つで灯下25〜45cmの範囲で変えられる。もう一つのタイプは外径が180mmφで、すべてのLEDは内側下方を向き固定してある。、灯下25cm当たりの70mmφの範囲を強く集光できる。もう一つは10cm程の大きさで実体顕微鏡などに付けるととても視野が明るく大変観察しやすい。
皆さんもお判りのように、このリング型LED照明灯は、覗き窓の周囲から中心部に向かってLEDを照らす事で、観察者の視野を明るく照らし、しかも影が偏って出ないような無影照明灯と言っても良い。180mmφタイプは、中心部の覗き窓に2倍のレンズを付ける事も出き、又カメラを固定できるアダプターもオプションとしてあるので色んな事に使える可能性がある。
「ヘブンズグロリア」のネーミング
我が社の製品にはそれぞれ愛称(製品名)がある。それぞれに名前の由来というか、名前を決めた時の経緯があるが、ここではリング型照明灯「ヘブンズグロリア」に関して少しご紹介したい。
聖書(The Bible)の中には、光に関する様々な記録が記されている。ヨハネの福音書では、キリストは「私は世の光です」と語られている。また初代キリスト教徒に対しての迫害者であったパウロが、ダマスコに向かう途中に天からの光に巡り照らされ、地に倒れ「なぜ、私を迫害するのか」と言うキリストの声を聞く記事が使徒の働き9章に書かれている。どれほど強い光か判らないが、パウロは目を開いても何も見えない状態だったので、それは強い光でなかったのかと想像する。そしてその事が切っ掛けで、後々パウロはキリスト教を熱心に伝える人物に変えられた。
リング型の照明灯は、まさに(聖書に書かれている巡り照した)時と同じ様な状態ではないかと感じた。更に、この照明灯の名前を「ヘブンズグロリア」にしようと決断させたのは、もう1カ所 聖書のルカの福音書2章の記事である。
ベツレヘムの羊飼いたちが夜番をしながら羊たちを見守っていると主の使いが彼らのところに来て、主の栄光が辺りを照らし「・・・今日ダビデの町で、あなた方のために、救い主がお生まれになりました。この方こそ主キリストです。・・・」と福音が告げられ、御使いと天の軍勢が神を賛美する大合唱が始まる。ヘンデルは、この情景をメサイア・オラトリオの中の一つとして作曲した。
ここには天からの光とは書かれていないが、羊飼いたちがいた辺りを照らした主(神)の栄光は、まさに天の栄光・天からの光と言っても過言でないであろう。ヘブンズライトではない「ヘブンズグロリア」がパウロに、そして羊飼い達に照り輝いたと思う。
もう一度ヘブンズグロリアの照明性能を再考いただきたい。リング型蛍光灯(22w)を付けた照明灯は灯下30cmで1,520lxであるが、ヘブンズグロリア180mmφ(24w)は、灯下30cmで23,000lxと 15倍ほどの明るさの違いがある。
照明強度の調整は、勿論照明灯のコントローラーで出来るので、弱くすることは出来、エネルギーを少なくできるが、蛍光灯と同じエネルギーを使うと15倍ほどの照明となるので、省エネルギー型照明灯と言える。白熱球ではエネルギーの殆どが熱に、蛍光灯でも電源部等に熱が出ている。しかしLEDは、殆どは熱になることなく電力を光へ変換が出来る大変効率の良い光源である。
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