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ルミノメーター
2008年9月
我が社の3本柱の一つであるルミノメータ(光計測技術)に関しては、正直に言って次なる製品の開発が8年間遅れてしまったと感じている。しかし、その間もATP測定などの他、遺伝子発現量を測るソ フト(デュアルルシフェラーッゼアッセイプロトコール)を組み込んだエコノミー型コンパクトルミノメーターは、多くのユーザーに受け入れられた事は大変有難い。今後も、沢山のユーザーに装置の取扱とと原理を理解いただき効果的な測定をしていただきたい。
ライフサイエンス機器 2.小型ルミノメーター 「ジーンライト55」
- ジーンライト55の特徴の一つは、ユニークな測光部である。ケーキ店でロールケーキが透明な帯に巻かれて販売されているが、ジーンライトの測光部は、ロールケーキの中心部に縦方向に測定チューブをセットする穴が開けられ、その周囲の帯(黒く厚みのある帯)を回転させるだけで、測定部に試料の入ったチューブをセットするための蓋が開き(その時には検出器の窓が閉じている)、反転させると、検出器の窓が開き測定スタンバイとなる構造とした。つまり、決して開閉作業で、高価で高精度の検出器を傷めることのない様にインターロック機構にしている。
- 測定チューブは、蛍光性の素材が含まれている材料を使ったものは、測定のバラツキや測定値に下駄を履いた様に値が高く出て信頼性を落とすので、基本的には弊社の標準チューブを使用して頂くことがよい。本器は標準チューブの他にマイクロチューブも測定チューブとして使うことが出来る。ただし、我が社では、特にメーカー或いは型式を推奨していないので、ユーザーの皆様には、蛍光性の確認をして蛍光性の少ないマイクロチューブを使用して頂きたい。
- 特にチューブの見栄えを良くするためであろうか、蛍光性のある素材が含まれているチューブは、測定場所近傍の電磁波の影響を受け発光をすることがあるので、少なくとも蛍光灯の下などで測定することは避けた方がよい。 *
- その他にも、ルシフェラーゼなどの酵素を試薬とする測定法では、酵素が熱変性し活性が落ちていくこと、また反応時の温度やpHによって発光量が異なる。事などを十分理解した上で使われることをお薦めする。
- 弊社の既存製品の冬眠していた開発が8年ぶりで動き出した。途中で止まっていた発光関係の開発の遺伝子は、破砕され壊されることなくしっかり残っていたので、後は、環境を整えるだけである。我々の挑戦は、太古の蓮の花を咲かせるだけではなく、ゆくゆくは未来の光る花も咲かせたい。
- ジーンライトもブラッシュアップされ、既に2008年7月より新しい顔で販売した。顔だけでなく、更に使いやすくなったファームウエアーには発光反応をカイネティック測定出来るモード(試薬を混ぜた瞬時からは検出出来ないが)が加えられるので、デジタルデータも安心して利用できる。
- 更に秋には、試料と試薬を混合した反応初期からの発光の状態を記録できる分注器付きのジーンライトを販売予定している。分注器にはスイッチを設け、試薬を注入した時からの発光の様子をカイネティックカーブとして記録出来る小型簡便な装置となる。前述したように、一定時間の発光量を単にデジタル値で見ただけでは、発光に関する正しい理解は出来ない。カルシウムイオン測定のように試料と試薬(エコウリン)が反応して、直ちに発光がピークとなりその後数秒で減衰するものもあれば、逆に時間と共に発光が上がり、15分ほどして減衰するものもある。或いは発光反応を増強する試薬・また発光反応を阻害する環境もある。
- 血中ホルモンなどの微量成分をルミネッセンス免疫反応で自動測定する臨床検査装置や食品衛生の分野でルミネッセンス反応を利用した装置などがここまで利用されている時に、基礎的な学びとして、この様なカイネティック測定の出来る装置を学生実習に採用することは大変意義があると思う。
- ジーンライトは、今後環境分野にも案内していきたい。特にフィールド測定が大切な環境分野にも使えるように、オプションとはなるが充電バッテリーを内蔵させ、測定時には100VAC電源を使わなくても事前に充電をしておけば、どの様なところでも使用できる携帯型高感度測定装置である。 今後、発光バクテリアなどを使ったバイオアッセイは環境分野の応用として期待できる。
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