会社紹介(製品今昔物語)
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既存製品のブラッシュアップ
2008年8月
現在、我々は、既存製品のブラッシュアップに取り組んでいる。8年ほど、我々にとっては挑戦的なイノベーションであり、社会貢献(高額医療となっている社会に、少しでも弱者を助け、安価な最先端技術を提供できる社会への貢献)を夢見ていたが、その開発に人材・資金は厳しいものであった。
その開発が長引き、既存製品に関し、他社との競争に遅れが出てしまった。その様な反省から、今期からの中期的技術テーマは既存製品のブラッシュアップを為すべきとの結論に至った。ブラッシュアップと一言に言っても、ご理解頂けないと思うので、もう少し具体的に特徴のある現在の事業・製品をご紹介しながら、中期的な我が社の戦略「既存製品のブラッシュアップ」を中心に述べたい。
以前にも記述したことではあるが、現在の我々の製品を利用分野で分けると、大きくライフサイエンス分野とマテリアルサイエンス分野となる。ライフサイエンス分野では、ホモジナイザー「ヒスコトロン」が代表格の製品であるので、先ずはその特長を生かした分野の利用及びその周辺の製品紹介をしたい。
ライフサイエンス機器 1.ホモジナイザー 「ヒスコトロン」
- 特に微小器官組織から、熱の発生を抑えmRNAなどの抽出で効率的な細胞破砕の得意なマイクロ(ジェネレータ)シャフトが大変多くの研究室で使用されている。
- また、北海道の小麦の収穫時期を、最良の品質時に収穫できるように、籾殻の付いた生麦をバッファー中でそのまま破砕し、アミラーゼ活性からそのタイミングを決定している。毎年、麦の収穫時期には、1日に200カ所程の生麦試料を集め破砕をする耐久性のあるヒスコトロンが活躍している。
- 高速回転する内刃と、内刃の回転から容器等を保護し更に試料を内刃と共に空回りさせないように試料をつかみ込む固定刃(外刃)の方式は、容器を選ばないため食品検査などの少量試料の分析の抽出の前処理として一般化してきた。
- 固定している外刃と高速回転している内刃の隙間は僅か50ミクロン程で、刃の摩擦による発熱はなく、鋏のように組織・細胞を細かく切り刻むことが出来る。引きちぎりと切り刻み作用で、効果的な組織・細胞破砕が出来る。
- 以前、少しでも細胞を壊さずに単離した細胞を取り出したいとの話があり、マイクロナイフと言う製品を作ったことがある。外刃は円筒に細い窓を多数付けた他のジェネレータと同じ形をしているが、内刃は回転方向に刃の付いた板が回転軸に付けられて高速回転にならぬように組織を切り過ぎない構造となっている。コラゲナーゼを用いずに装置だけで単離した腎細胞作成には成功したが、他の組織には旨く行かなかった。
- この事から、単に刃の付いた板が廻るだけではなく、固定した平面刃を設置し其処に接する形でゆっくり回転する上記回転内刃を付けた。つまり容器の中で、二つの小さな鋏が動き出すことによって液体の流れが下から上に・上から横に容器の中で起こり、そこに入っている組織はその流れに乗り、鋏の部分を通過し切り刻まれていく。
- このカッターは、膵臓の組織を切り刻み、単離化させ膵ら細胞(ら氏島)を取り出すために使われている。関係者からは、ら氏島を精製培養して肝臓に戻しインシュリンを作らせると聞いている。
- 再生医療に期待と関心が寄せられているが、研究用に作った細胞単離用のカッターも、それらの目的に役立つ日が近いのではないかと感じている。身体の中の弱った組織を取りだし、外部で回復させることは大変難しいことと思われるが、組織の一部を細胞単位に単離化し良い環境の中で培養して、身体に戻すことは、前者ほど難しいことではないのではなかろうか。
- 再生医療用ホモジナイザーの開発を今期の目標とし、試作カッターを利用いただく研究者・機関を募集したい。詳細は、電話・メール等でお問い合わせいただきたい。
- この様にブラッシュアップは進行形であるが、今後もホモジナイザー・カッター・スライサーに関する問い合わせにも積極的に受け付け挑戦する企業であり続けたい。
今回は、ホモジナイザーの現状紹介と動き出した既存製品のブラッシュアップを中心にしたニュースで終わらせて頂く。
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