会社紹介(製品今昔物語)
TOP > 会社紹介 > 水銀圧入式細孔分布測定装置(ポロシメーター)の販売
水銀圧入式細孔分布測定装置(ポロシメーター)の販売
日本オートマティックコントロールの時にポロシメーターを担当した本田は、同社を辞めた後もそのサービスや部品作りを依頼されていたが、その後ポロシメーターの販売を行うようになった。
活性炭・ゼオライト・多孔性建材・塩化ビニール・カーボン・粘土・コンデンサー・紙・木材・人工骨・コンクリート・セメント混和剤・フィルター・中空糸・吸音材・舗装材・イオン交換樹脂・触媒・電極・炉材・銑鉄・ブレーキ材・等々の微細な孔(直径200ミクロン〜15オングストローム)を持った物質が、様々な機能を果たしていることを、読者の皆様はご存じのことと思う。
例えば活性炭は1グラム中に約1000m2という表面積があるが、それは活性炭の表面から中に無数の小さな穴が複雑に空いているためである。これによって活性炭は、気体或いは液体中の微粒子や分子を吸着することが出来る。この様に微細な孔を沢山持った物質(多孔性物質)の孔の状態(細孔分布)を調べる方法は3つ考えられる。水銀圧入法とガス吸着法そしてバブルポイント法である。
先のポロシメーターとは水銀圧入法を用いているので、一般的に水銀圧入式ポロシメーターといわれている。この原理は試料を真空処理できる容器に入れ、微細な孔に入っている水分や様々なガスを取り除く前処理をした後に、試料を水銀で覆うようにする。そして水銀全体に圧力を掛けていくと、水銀は逃げ場が無くなり、試料の表面にあいている微細な孔に入り出す。
圧力を上げれば上げるだけ、水銀は小さな孔に入っていくので、(つまり圧力と孔の大きさは反比例している)掛けた圧力と水銀の変化量を調べると、孔の大きさ(横軸)と孔の容積(縦軸)の関係のグラフ(細孔分布曲線)が出来る。最高圧力まで加圧した後に、減圧した時の2つの変化を同じグラフに描いていくとヒステリシスカーブが画がけられる。このヒステリシスカーブ(加圧―減圧)から孔の内部の構造を推測することも可能である。
例えば芳香剤を含ませたペンダントはどのような構造が理想的かは、読者はお判りであろう。ペンダントに染みこませた香りが何時までも続くためには、香りを沢山閉じこめる孔の容積と同時に、香りが一度に逃げないよう表面の孔は小さく内部には大きい、又は細長く入り込んだ構造の孔が必要なのである。
もう一つの方法は、ガス吸着法である。窒素・ヘリウム・クリプトンなどのガスを用いて、先のポロシメータ同様、試料を真空装置で脱気させた後 一定圧又は一定量のガスを試料容器に加えると、ガスの分子は試料の表面に吸着していく。
水銀圧入法の場合は、大きな孔から水銀が入っていくが、ガス吸着法の場合は、小さな孔にガスが吸着されていくことから始まる。数十回に分けて試料にガスを加えていくと、吸着の飽和をそれぞれに繰り返し、それ以上与えても全く吸着しない状態になる。そしてガス吸着法で測れる一番大きな細孔(直径0.1ミクロン)までの細孔分布を計ることが出来る。ガス吸着法は水銀圧入法より孔径の小さい孔の測定に適している。
バブルポイント法は貫通した孔の細孔分布を計る方法で、フィルター・不織布などに適している。フロン(FC-43)で濡らした試料を固定し、下がら窒素ガスを加圧していくと、ある圧力で大きな孔に着いていたフロン液が飛ばされ泡となって飛んでいく。すると突然ガスはその孔から上に流れ出す。更にガスを多く試料に当てると再び1回目より高い圧力で、もう少し小さい孔よりフロン液が泡となって飛びそこからガスが流れ出す。この時のガスの圧力と流れたガスの量を測るとポロシメータと同様の細孔分布測定が出来る。これらの細孔分布測定装置も、今回のテーマである「組織・細胞・遺伝子」には直接に関係はないように見えるが、物作りをする上で多くの知識を得ることが出来た。
製品今昔物語 一覧
下のタイトルをクリックすると各ページに移動します。